タバコに放射性物質 | 日経サイエンス

たばこをなぜ吸うのか?たばこを吸う私は何者なのか?深く自分を考察していくところに真実が見える。そんな起爆剤になる記事がこれかも知れない。私は母が縦隔腫瘍という癌で亡くなった。その頃からたばこが体に与える影響を研究している。ある科学センターで、たばこを吸ったときの血液の逆流と,細胞の酸欠を目のあたりにしたとき、我が体の細胞に愛おしさがわき上がったものである。きっぱりと長年のヘビースモーカーから卒業した。新たに知ったこの知識はこれから人々にどのような影響を及ぼすものか見つめていきたいと思う。

放射性同位体ポロニウム210は,多くの人が考えているよりもずっと身近なところにまで広がっている。世界で年間に6兆本近いタバコが吸われているが,その1本1本が少量のポロニウム210を肺に送り込んでいるのだ。 植物のタバコには低濃度のポロニウム210が蓄積する。その大部分は肥料に含まれている天然の放射性元素から生じたものだ。喫煙者が吸入したポロニウムは肺の“ホットスポット”に定着し,がんを引き起こす原因となりうる。ポロニウムはタバコの煙に含まれる発がん物質として主要なものではないだろうが,それでも米国だけで年間に数千人がこのせいで死亡していると考えられる。

引用元: タバコに放射性物質 | 日経サイエンス.