人生を安全に生き抜くために必要とされている理論があります。
アメリカなどでは護身術の基本的最重要課題としてカリキュラムが組まれていて、常識になっています。
セルフエスティーム(自尊心)とバウンダリー(識別)能力を高めるということです。
これについて詳しくは、こちらで説明があります。
そこで、武道修行以外でも、これらを高める効果的な手段があるのかというご質問に対してお答えします。真の武道もとても近道ですが、それなりの、時間がかかるのも確かです。
そこで、手っ取り早い方法は、1ヶ月くらい人と会うことの無い、厳しいジャングルの中を何も持たずさまようことです。
セルフエスティームやバウンダリーは極限まで高まります。
ビジョンクエストですね。死ぬか生きるかの境地です。
しかしそれは現実離れしているので、まず、セルフエスティームをゆっくりと高めていくほうがいいとおもいます。
それは絶えず、その道を歩んでいかないとまた振り出しに戻ります。
山の中を1ヶ月死ぬかも知れない旅を続けるか、日常で自分の心の中に同じ状況を作って旅を続けるかですが、後者はいかに自らの心的境地の中を歩き続けることができるかがまず課題です。
瞑想などはまさにそうですが、短い時間しかできません。瞑想をして日常を過ごしながら、恐ろしい現実と向き合ってこそ意味があるので、瞑想はその境地を体験するだけになってしまいます。
大切なのは、日常でずっとその境地にいてこそ、セルフエスティームは高まります。日常で、何かと出くわしてその境地から出ると言うことは、ビジョンクエストで狼と出会って恐くなって、山里の街に下りてくるのと同じです。
ですからまた最初からの振り出しです。
その前にその境地はどこなのかと言うことですから、その境地を得るには武道だけでは無く、自分の内を知り尽くしていかないといけません。経験と理論の整合が最も有効です。
経験は武道や日常。理論は唯識論など、自らの内を知ることができる智慧です。
ですから、ビジョンクエストでも、それなりの知恵が備わった青年にしか許されません。
智慧は長老の見識と触れて備わります。現実では、その見識は唯識論などの心理探求ができる合理的な見識に触れることです。
合理的な見識が大切なのです。
ですから、有効にと言うことであれば、まず唯識論または心理学の総合学問(これは大学から行き直しくらい、「総合的」な心理学を学ばないと、それでも十分ではないほどだと思います。ですから心理学では難しい。)を身につけてそれを完全に理解することです。
そして、自分の日常とその理論が整合する境地にいつもいて、この社会を生き抜いていくことができれば1ヶ月ほどで相当に高まります。唯識論の智慧を身につけただけでは、現実と智慧の差異が生まれ逆に心や精神を病むこともあるので、それらを身につけたなら、現実の自分の人生に完全に生かすことが最も大切です。
これらは、私ももう25年もライフワークとして取り組んでいる活動です。
まず、真理すなわち絶対性(何があっても相対するものが無い)に対する智慧を得てから、ビジョンクエストをするのが最も手っ取り早い効果的です。
そういう意味ではビジョンクエストは最高の方法まで到達したとも言えます。
それと同じように、智慧を得て、日常で境地から出ることが無く、多くの経験をする。
山の中よりも、実生活の中で恐ろしい魑魅魍魎と出くわしても、山里へ逃げない世界を生き抜く。完全に出ることが無いのなら、1ヶ月で良いと思います。お寺にこもるなどはだめです。何の生死問題もありません。しかし、仏門に入るのならそれも良いと思います。しかし、それ以外の日常生活を生きていくつもりなら、意味がありません。
まず、それで、この世界を完全に生き抜くことです。これができれば、ビジョンクエストと何ら変わらない効果で、セルフエスティーム(自尊心)とバウンダリー(識別)能力は一挙に高まります。しかし、相当厳しい世界です。多くのものを失うかも知れません。
難しいのは目の前にいつでも逃げ場がある現実社会では、その逃げ場があるという認識から始めないといけません。逃げ場を認識していないと、ついそこに行っては、逃げていないと思うからです。ここからの認識が必要です。
逃げるとは、山から下りる?それなら一からやり直しです。みんないくら瞑想をやっても、同じことです。
それがわかり、またそれをちゃんと傍から指導できる人がいれば、簡単に効果的に高まります。
もしくは、一度本当に死の恐怖の中で死んでみることです。これだけは、「ごつん」と一挙にセルフエスティームとバウンダリーが高まるはずです。これが一番効果的です。生き返る保証はほぼありませんが。