まず、基本的なホルミシス効果の考え方が大切です。
ホルミシス効果は、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量かつごく一時的であれば逆に良い作用を示す可能性のある生理的刺激作用のことです。
このように、ホルミシス効果という場合は、放射性物資は微量でも有害であるということが大前提なのです。
ここからホルミシス効果について論じられることとなります。
ホルミシス(hormesis)とは、ギリシャ語のホルメ(horme)すなわち「刺激する」に由来するもので、このホルメはホルモンの語源でもあるのです。
ホルモンは、心身に何らかの刺激があるときに分泌されます。環境の変化や、ストレス、物理的刺激などです。軽微な環境の変化やストレスや刺激で有用なホルモンが分泌されて、体に良い影響を与えるときもホルミシス効果と言います。
針や按摩や指圧、適度な運動も全てホルミシス効果があります。
体を過保護にしているのでは無く、適度な環境の変化があるからその環境の変化に対応するべく、機能が動き出すという考え方が、「刺激する」というホルミシスの考え方です。抵抗力という考え方ともよく似ています。
そこで、ホルミシス効果を考える場合は、しきい値の問題で論ずることになります。
針や按摩や指圧、適度な運動が、それを受ける人のしきい値を超えたり、又、過度であった場合は、針は太く長いということになり、内臓や組織を傷つけ、按摩は強すぎて筋肉や骨を痛め、指圧は死穴や唖穴といわれるような危険な点穴となり、過度な運動は活性酸素の増加や、心臓の弱い人には致命的な結果をもたらしたりします。しかしそれらのしきい値は人や状態によって違いますの
で、適度であっても体がとても衰弱している人にとっては有害な場合もあるのです。それがしきい値です。適度というのが一概に述べることができないのです。それがとても大切です。最近のエアロビクスで身体をこわす人とか、太極拳で腰や膝を壊す人は、他の人と合わせて自分のしきい値を超えているからです。最近の管理主義のしきい値の固定化にはあきれ果てます。
そこで、ホルミシス効果というものは、しきい値とその量による相対性理論で論じられるものであるので、ホルミシス効果自体は刺激により有用な作用を得るという学説だというだけのことです。
しきい値については、こちらをご覧ください。